偶然の力を借りて小説を書く
小説家、というものに憧れがある。
なんだかミステリアスで、プロフェッショナルで、それでいて自由人で格好いい。
自分も小説を書きたい。
そう思って、高校の頃から何度か短編を書こうとチャレンジしたことはあったが、毎回途中で断念してしまっていた。
小説書くの、めっちゃ難しい。
人物を3人以上登場させると距離感とか関係性がもう分からなくなるし、
展開とか話の進め方もさっぱり分からない。
ずっと2人が同じ場所で喋ってるだけになってしまう。
そして、いつも書きながら「これ面白くないな」と思って途中で書くのを止めてしまう。
なにより、まず面白い題材が思いつかない!
面白いテーマさえ思いつけば、僕だって短編小説くらい書けるはずだ!
そこで、今回は偶然の力を借りて小説を書いていきたいと思う。
PhrasePlus!というスマホアプリがある。
このアプリは、このように、無限に近い内蔵辞書の語彙から言葉を組み合わせてランダムにフレーズを生成してくれる。
「計量器一部暴徒化」とかすっごいワクワクしません?
このアプリを利用して僕が収集したフレーズの中から、爆裂おもしろベストセラー小説になりそうなものをピックアップしていこうじゃないか。
僕の計算では、このメソッドを利用すれば誰でもスーパーおもしろ小説が書けるので、20年後にはノーベル文学賞はモンドセレクションみたいな立ち位置になってると思います。
ノーベル文学賞10年連続金賞受賞!みたいな。
では、さっそく候補のフレーズを見ていこう。
① 幽霊が出る科学
舞台は学校だろうか。オカルトを一切信じない理系の主人公が、ホンモノの心霊現象と出会ってドタバタする学園コメディ。
幽霊の女の子がヒロインとして出てきてもいい。壁をすり抜ける女の子に主人公が、「ト、トンネル効果で説明出来るからね!それも科学だよ、かーがーく!」とか言う。
② ネコが集まるダンス教室
もうタイトルからしてオシャレなことが伝わってきますね。
悩みを抱えた人がその商店街を歩いていると、猫に呼ばれることがある。誘われるがまま猫についていくと、そこにはツタに覆われた小さな雑居ビルが。
その二階にあるダンス教室に集う人の、心温まるヒューマンドラマーー
なんかHuluのオリジナルドラマにありそうですね。
③ ミッキーマウスの塩焼き
いや塩焼きにすな
④ 天丼への旅立ち
うまい!天丼と天国がかかってるのかな
たぶんサラリーマンの主人公が、末期がんにかかって自らの死期を悟ることで、本当にやりたかった天丼屋に転職する話だと思います。
反対する妻や、いけすかない美食家なんかとひと悶着あって、最期を迎えたあとで主人公の天丼にミシュラン一つ星がついて終わる。
「天丼への階段、登りきったで……」
⑤ 六法全書を買ってみた
ユーチューバーが司法試験に受かるまでのお話です。
底辺ユーチューバーの主人公が、最初は動画の企画として六法全書を買って勉強し始めるが、コメントで応援されたり、同じ受験生とチャットを重ねるうち、次第に動画の再生数よりも司法試験に受かることが目的になっていく。
電車男みたいなイメージでしょうか。
「今まで何かに夢中になったことも、応援されたこともなかったけど…
見つけた、これがワイの生きる道や!」
⑥ トロピカル・ドライフルーツ
これ、めちゃくちゃ良くないですか?普通にかっこいいしありそう。
若い頃にメッタメタの挫折を味わい、音楽を辞めた主人公のしわがれたオジサン(エレカシの宮本さんみたいなのを想像してください)がもう一度ギターとマイクを握り、リバプールでソロライブをするまでのサクセスストーリー。
「オメーのせいでライブ台無しだよ!!!音楽やめちまえ!!!」
「この歳でやっと生まれた子なのに、目が見えないなんて…」
「ギターもタバコも、やめたはずだったのにな」
「”聞かせて”やれよ、お前の父ちゃんすげえんだぞ、って」
「I'm standing here for my dear son, to be a legend (愛する息子のためにここまで来た。伝説になりに。)」
なんかもう考えてるので満足しちゃったので、僕はもういいです。
以上の案については一切の著作権を放棄するので、ぜひ僕の代わりに書いてくださいね。