じふのブログ

人は、語ることの出来ないものに対して沈黙しなければならない。

「おかえりなさい」に何と答える

 

 

そりゃ「ただいま」でしょ。

 

違う。僕が言いたいのはそういう話じゃない。

 

 

 

小学生のころから、ずっと疑問に思っている事がある。

 

 

僕は物心ついた時から今まで、ずっと同じマンションに住んでいる。

家族向けのマンションであるため、同年代の住人も多く、母親同士も仲が良かったと思う。

となると、必然的に小学校になる頃には住人の多くが顔見知りになる。

 

 

また生活リズムも大体同じになるため、学校が終わり帰宅してくる時間帯になるとかなりの高確率で、廊下やエントランスなどの共用スペースで同じマンションのおばちゃんと遭遇する。

 

マンションに住んだことのある人なら分かると思うが、夕方、ランドセルや制服を装備しておばちゃんと出会すと、100%「おかえり」と声をかけられる。

 

僕は、この「おかえり」に対する正しい回答が大学生になった今でも分からない。

 

普通に「ただいま」と返せばいいじゃないか、と思われるかもしれない。

でもそれはあまりにも家族っぽすぎないか。

同じ家に住んでいるわけでもないし。

 

マンションを1つの家だと拡大解釈するなら話は別かもしれないが、それにしたって挨拶を交わすだけの仲なのだから距離が近すぎる気がする。

 

「こんにちは」はどうだろう。

バッタリ会ったときの挨拶としては適切だ。

しかし、「おかえり」に対する返答としてはいささか不自然ではないか。

 

「おかえり」

「こんにちは」

 

なんだアスペか?帰ってくれ。

 

考えすぎだということは百も承知だが、一度気になりだすともう安易に「ただいま」とは言えない。

おかえりと先に言われた時点で「詰み」なのだ。

 

僕は高校に上がる頃にはその事に気付き、おかえりと言われる前に先手をとって「こんにちは!」と言うようにしていた。

 

いつも自分から元気よく挨拶をするので、母親から聞いた話だと「挨拶の出来るいい子だね」と言われていたらしいが、その実はただ「おかえり」と言われるのを避けているだけだったのだ。

 

 

え?じゃあそれ以前はどう返してたかって?

 

正解が分からなかった小学生の僕は、「どうも」って返してました。

 

嫌な子どもだな~