バンクシーと100円のビートルズの話
先日こんなニュースがあったが、Twitterやネットニュースで見た人も多いのではないだろうか。
かねてより絵画のオークションに否定的であったストリートアーティスト・バンクシーが、自分の作品が落札された直後に額縁に仕掛けていたシュレッダーで絵を破壊した、というものだ。
とはいえ、絵画の価値は作品自体の技巧に加え、歴史的背景や作者によって決まるらしい。
そのため、この事件によってまた作品の価値が上がるなんて話もある。バンクシーも不本意なことだろう。
このニュースを聞いた時、僕は「最高にかっこいいな」と思った。
資本主義に中指を突き立てる行為。
落札者は気の毒だが、最高にパンクだ。
それから数日経ったある日、僕はCDを借りるため大学近くのTSUTAYAに居た。
CDを選びながら、ビートルズの棚を前にしてあのニュースを思い出す。
ビートルズのベストアルバムが、7泊8日で200円。
バンクシーの絵は1億円。
劣っていると言うと語弊があるかもしれないし、第一、音楽と絵画という別ジャンルの作品を比べること自体ナンセンスかもしれない。
しかし、この2つの作品の価格には事実、これほどまでに差がある。
ただ一点違うのは、音楽はデジタルな情報として共有されるが、絵画は個人によって占有されるということだ。
だからビートルズのもたらした経済効果は1億や2億じゃきかないだろう。
個人的には絵画も画像データとして売ったらいいんじゃないかな、と思うが、それが現実的には難しいからこそ美術館の意義が大きい。
まあ、つまり何が言いたかったかというと、音楽って自由で良いですよね。