「パイナップル」は名付けの怠慢だ
パイナップルという果物がある。
そう、あの黄色くてトロピカルな果物だ。
このパイナップル、アルファベットではpineappleと綴り、pine(松)+apple(りんご)から成る語である。
この名前、かわいそうじゃないか?
松っぽい木になっているリンゴっぽい果実だからそう呼ばれてるのだ(たぶん)、あんまりではないか?
声が吉田に似てて髪型が鈴木に似てる佐藤くんを「吉田鈴木」って呼んでるようなものだ。
こいつ自身のアイデンティティはどこに?
これは言わば、パイナップルと呼ばれている果実に対する「名付けの怠慢」と言えるのではないだろうか。
そう思い調べてみると、この植物、学名Ananas comosusからとってアナナスと呼ぶこともあるらしい。
アナナスか…。
ふむ。意外としっくりくる。
今度からアナナスと呼んでも良さそうだ。
さらに調べてみると、漢名では鳳梨(フォンリー)とも呼ばれるらしい。
フォンリーか…。
おっ、強そう。
いいじゃん君、なんか格闘技とかやってた?
名前が漢字になるだけで、果実のゴツゴツした表面が堅牢な鎧に見えてくるから不思議ですね。
やはり名前というものは大事だ。
「何かに似ているから」ではなく、それぞれに合った名前を用意するべきである。
他にも、僕には「名付けの怠慢」を感じているものがある。
それは、「パンケーキ」だ。
一時期大ブームになったパンケーキだが、この言葉はpan(フライパン)+cake(ケーキ)からなる語だ。
これは先のパイナップルとは異なり、調理方法に由来する名付けだろう。
じゃあなんだ?フライパンでケーキを炒めればそれもパンケーキということか?
これも広義のパンケーキということか????
…といったふうに、このままでは言葉の解釈による混乱を招く恐れがある。
カフェでパンケーキを注文して、上の「パンケーキ」が出てくるといった事故を無くすためにも、今一度「パンケーキ」と呼ばれているものの名前を考え直す必要があるのではないだろうか。
そのために、改めてパンケーキの情報について整理しよう。
パンケーキといえばやはり”映え”だろう。
ブームのピーク時には”映え”を求めた人々が、急速に店舗数を伸ばした専門店にまさに川の流れのようにとめどなく押し寄せた。
そしてもう一つ、パンケーキを語るうえで欠かせないのが、パンケーキと抜群の相性を誇るメープルシロップだ。
パンケーキの流行以降、様々なフレーバーのソースやクリームが登場したが、いつの時代も変わらず定番の位置にいるのはメープルシロップである。
そんなメープルシロップは楓の樹液から作られるのは有名な話だろう。
以上のパンケーキの構成要素から、
僕はここで「パンケーキ」に代わる新たな名前を提案させていただきたい。
「パンケーキ」に代わる名前…
それは…
「流川 楓」です。
「流川 楓」です。
「流川 楓」です。
皆さんも「名付けの怠慢」を発見した時は、ぜひ教えてくださいね。
それでは。